|
法令順守を経営のゴールとする場合、企業内の膿を発見し、外部に公表して是正を図る行為は称賛されこそすれ、抑止・制裁はできないのではないかという考え方が一般的です。しかし、私たちは、たとえ善意の不祥事告発であれ、内部告発の抑止は、労働契約理論上可能であるという立場に立脚して、このジレンマを解決できると考えています。
企業内の不祥事は、いきなり外部公表して世間の評価に委ねるのではなく、まずは企業内の内部調査・自浄的解決を経るべきであり、企業に調査や自浄機会を与えず、外部に公表して企業を危機的状況に陥らせる行為は、労働契約関係上の信頼関係を破壊するものとして違法性を帯びると考えられるからです。そして、この理論が機能する前提として、不祥事自浄のためのスタビライザー装置が企業内に存在すること、すなわち適切に機能する内部通報制度の確立が必要なのです。
|